茨木市春日2丁目1番12号ラウンド春日2階
JR茨木駅 徒歩5分
JR茨木駅 徒歩5分 TEL : 072 - 622 - 1030
胃がしくしく痛む、胃がもたれる感じがする…などの症状がある場合、
胃潰瘍や、逆流性食道炎である場合もあります。
そして、もしかしたら、あなたの胃の中にピロリ菌がいる可能性があります。
ピロリ菌がいるだけなら、痛みなど症状が出ることはありませんが、
ピロリ菌が原因で発症した時には、痛みなどの症状が出る事もあります。
しかし、これは保菌者の約3割程度にすぎません。
残りの7割の人はピロリ菌に感染しているのに、何の症状も現れず、
「健康保菌者」「無症候キャリア」と呼ばれます。
日本人に多くみられる胃潰瘍。ストレスや塩辛い食べ物が原因とされて日本人の国民病とも言われます。
しかし実はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)という細菌がその原因であることを、
オーストラリアのバリー・マーシャル博士らが発見し、これにより2005年度のノーベル医学生理学賞を受賞しました。
効果的な治療法の無かった胃潰瘍ですが、ピロリ菌を除去する事により、再発を防げることも分かってきました。
またピロリ菌は胃ガンの原因とも考えらているので、ピロリ菌保有率が高い日本で、さらなる研究が期待されます。
◇◆ 胃潰瘍、十二指腸潰瘍 ◆◇
潰瘍は一度よくなっても半数以上が再発し、薬を飲み続けなければならないやっかいな病気でした。
ピロリ菌除菌に成功すると胃潰瘍、十二指腸潰瘍ともに再発率が明らかに減少するという報告があります。
ピロリ菌がどのように潰瘍を起こすかはまだ完全に解明されていませんが、
ピロリ菌がいなくなることで潰瘍の傷がしっかり治るようになることが1つの要因と思われます。
◇◆ 胃がん ◆◇
ピロリ菌感染者の多い日本では、世界的に見ても胃がん患者が多いと言われています。
早期胃がんでピロリ菌が見つかった場合は、内視鏡的治療後に除菌治療が推奨されます。
1994年、世界保健機構(WHO)はピロリ菌を確実な発がん物質と認定しました。
除菌により胃がんの発生率が1/3に抑制され、ピロリ菌除菌が胃がん予防効果があると証明されています。
◇◆ その他の病気 ◆◇
慢性胃炎の多くはピロリ菌の持続感染が原因で、胃の粘膜に炎症を起こします。
その他、胃MALTリンパ腫・免疫性(特発性)血小板減少性(ITP)・早期胃がんの内視鏡的治療を受けた方や
ディスペプシア症状(みぞおち辺りの痛み・焼ける感じ、食後の胃もたれ、
食事中に胃が充満した感じとなり、最後まで食事を摂取できない状態)がある方は、
ピロリ菌の除菌治療が勧められています。
ピロリ菌を見つける検査は大きく分けて2つあります。
1つは内視鏡(胃カメラ)を使った検査、もう1つは内視鏡を使わない検査です。
ただし、いずれの場合も消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)と
診断された人のみ保険適用となります。
●-● 内視鏡を使う検査 ●-●
内視鏡内視鏡を使って胃の組織を一部採取し、ピロリ菌の有無を調べます。
しかし胃内の1ヶ所だけを調べて全体を代表することは難しく、
2ヶ所以上から調べないとより正確な検査が出来ない場合もあります。
◇ 迅速ウレアーゼ法 ◇
ピロリ菌が持っている酵素「ウレアーゼ」で作り出されるアンモニアの量を調べます。
採取した粘膜を特殊な反応液(pH指示薬)に添加し、その色の変化でピロリ菌の有無を判定します。
判定時間は短いのですが、除菌直後は偽陰性になることもあります。
◇ 鏡検法 ◇
採取した組織を染色して顕微鏡で観察することにより、ピロリ菌がいるかどうか調べます。
◇ 培養法 ◇
胃の組織を採って、ピロリ菌の発育しやすい環境下で5~7日間培養して判定します。
判定に時間がかかるのが難点です。
●-● 内視鏡を使わない検査 ●-●
内視鏡を使わない検査では、何よりも胃カメラを飲まずに済む・・・という大きなメリットがあります。
◇ 抗体測定 ◇
血液や尿、唾液などを採ってピロリ菌に感染したときにできる抗体の有無を調べます。
ただし、除菌治療を行ったすぐあとは抗体がしばらく残っているため、判定は困難です。
◇ 尿素呼気試験法 ◇
最も一般的、かつ精度の高い検査です。検査薬を服用して15~20分後の呼気を採取し、
ピロリ菌が分泌する酵素「ウレアーゼ」の働きによって作られる二酸化炭素の量を調べます。
◇ 便中抗原測定 ◇
いわゆる「検便」によって検体を採取し、検査する方法です。
費用はやや高いのですが鋭敏な方法であり、精度も高いとはされています。
ピロリ菌の除菌治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の3つのお薬が用いられます。
この三種類のお薬を一週間服用することで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。
そして場合に応じて胃の粘膜を保護する薬剤を併用します。
除菌薬服用後、胃の中に本当にピロリ菌がいないのかを検査します。
なかには一度で除菌できない場合もあります。除菌後の判定検査により対応して行きます。