● 肝臓内科のご紹介

HOME > 診療内容  肝臓内科のご紹介

■■肝臓とは何か?~沈黙の臓器~■■

… お酒や不規則な生活が肝臓に負担を与えているかも …




お酒をよく飲まれる方や、不規則な生活を送られている方は、 知らず知らずの内に、肝臓に負担を与えているかもしれません。
しかも肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれていて、多少の悪化では 自覚症状はありませんので、要注意です。

肝臓の位置は、お腹の右上で横隔膜の下、胃の隣に位置します。
約1~1.5kgあり、内臓の中では大型の臓器に分類され、 女性より男性の場合は大きい傾向にあります。


肝臓の主要な働きは、糖分の貯留と放出などの様々な代謝作用と、毒素分解や排泄です。
二日酔いなどと関連してアルコールの分解酵素の事をご存じの方は多いでしょう。
お酒を飲む方にとっては気になる臓器です。

肝臓はアルコールだけではなくコレステロールを分解したり、 体内の環境を整える働きをしており、大変重要な臓器なので丈夫に出来ています。 ある程度の障害を受けても代償作用が働いて元に戻ることができます。 このような肝臓の性質を「肝臓の予備能」と言っています。
少々の障害では症状が現われないため「沈黙の臓器」と呼ばれています。

肝臓の障害が少しずつゆっくりと進行していても自覚症状はありませんから、気がついた時には手遅れになっていることが多いので、注意が必要です。

■■肝臓が弱ると、どうなるか?■■

… 思い当たる場合は、一度検査を …



~代表的な肝臓疾患~

◇◆ 脂肪肝 ◆◇
カロリーの高い食べ物・お酒が好きな人は要注意です。
食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎにより起こります。
放っておくと肝硬変や肝臓がんに進行することもあります。
脂肪肝の人のなかには、お酒を全く飲まない人もおり、カロリーの摂りすぎが原因で発生する場合もあります。
肥満の人や糖尿病の人がなりやすく若い世代にも増えています。

◇◆ アルコール性肝障害 ◆◇
飲酒が原因で起こります。
長年お酒を飲み続けると、肝臓に中性脂肪がたまり、肝機能が低下します。
大量飲酒を続けると肝障害を繰り返し、肝硬変へと進む可能性が高くなります。
Y-GTPが高い とアルコール性肝障害が疑われますので、注意が必要です。

◇◆ ウィルス性肝炎 ◆◇
< A型肝炎 >
 貝類(カキなど)や生水などの経口感染によります。 ほとんどは重症化せず治ります。

<B・C型肝炎>
 血液や体液を介した非経口感染が原因となります。 慢性化して肝硬変の原因となることもあり要注意です。


◇◆ 肝硬変 ◆◇
肝障害が持続すると肝臓が硬く変化し、終末像として肝硬変となります。
肝硬変となった場合は元の肝臓にはもどりません。
肝硬変に進行する前に予防が必要です。
また肝硬変の患者100人につき、1年間に約8人から肝がんが発生すると言われています。
例えば胃がん健診では3000人に約1人が胃がんと診断されるのと比較すると、その高い割合が分かります。

■■肝臓病の進行、そして最後は?■■

… 恐れず医師の指示で適切な対応を …



急性肝炎については、基本的に入院治療によって治る病気ですが、ごく一部に肝細胞の破壊が広範囲に及び、 肝機能が営めなくなる「劇症肝炎」に移行することがあります。

劇症肝炎は、意識障害を伴うもので、急性肝炎になって、皮膚や白目が黄色くなる黄疸の症状がでた後も、 発熱、からだのだるさなどの症状が進み食欲がもどらない場合、血漿交換、肝臓移植などの治療が 必要となります。
劇症肝炎が手遅れになると、死にいたる場合もあります。

慢性肝炎は、6ヶ月以上の肝機能異常が持続している状態です。
C型肝炎では慢性肝炎から肝硬変に進み、それを基礎として肝癌が生じるという過程が 明らかになってきています。
ただし肝硬変が必ず肝癌へつながるわけではありませんので、恐れすぎる必要はありません。

■■代表的な検査■■

… 肝臓病の検査は、主に3つあります …



◇◆ 血液検査 ◆◇
「血液検査」は、最も基本的で汎用性の高い検査です。 これにより現在の肝臓の状態や病気がどのくらい進展しているかを判断することができます。

◇◆ 画像検査 ◆◇
「画像検査」は、慢性肝炎・肝硬変や肝がん等を診断するために重要な検査です。
エコー(超音波検査)やCTやMRI、血管造影、内視鏡などがあります。

◇◆ 病理組織検査 ◆◇
「病理組織検査」とは、肝臓に針を刺して細胞や組織の一部を採取し、顕微鏡で細かく観察し病気の診断を行う検査です。
超音波で場所を確認しながら針で肝臓の組織を採取する「超音波下経皮的肝生検」と腹腔鏡で観察し、肝組織を十分量採取して行う「腹腔鏡下肝生検」があります。

■■肝臓疾患の治療■■

肝癌の死亡者数はこの30年間で約3倍に増加しており、現在年間3万5千人近くの方が肝癌によって死亡しています。
その肝癌の原因の約7割がC型肝炎ウイルス、約2割がB型肝炎ウイルスの感染です。

現在はこれらの肝炎ウイルスに対する様々な治療法が開発されており、 病状に合わせて治療法を選択して、肝硬変や肝癌への進行を抑制することが可能となってきています。

一方で自分が肝炎ウイルスに感染していることを知らない方、 肝炎ウイルスに感染していることを知っているが病院を受診していない方、 治療が必要であるのに受けていない方が多数残されていると考えられています。

適切な治療法は、年齢や病状によっても異なるため、 専門医と相談して治療法を選択する必要があります。
気になる場合は、まず専門医にご相談ください。

※これらの内容は、肝臓疾患のベストドクターにも選ばれている 岡博子先生への取材を基に作成しました。

TOPへ▲